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ホモおよびヘテロFHに対するPCSK9モノクローナル抗体(エボロキマブ)の効果と論評

ホモ・ヘテロFH患者に対するPCSK9モノクローナル抗体の効果;
二重盲検比較試験
1)Raal FJ, et al. PCSK9 inhibition with evolocumab (AMG 145) in heterozygous familial hypercholesterolemia (RUTHERFORD-2): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet  online publication (2014)
2)ホモFH患者に対するPCSK9モノクローナル抗体(エボロキマブ)の効果;二重盲検比較試験(TESLA Part B)
Raal FJ, et al. Inhibition of PCSK9 with evolocumab in homozygous familial hypercholesterolemia (TESLA Part B):  a randomised, double blind, placebo-controlled trial. Lancet  online publication (2014)
3)上の2論文に対するコメント
Santos RD, Watts GF. Familial hypercholesterolaemia: PCSK9 inhibitors are coming. Lancet online publication. October 2, 2014.
4)その後、
Mabuchi H, Nohara A. Therapy: PCSK9 inhibitors for treating familial hypercholesterolaemia. Nat Rev Endocrinol. 2014 Nov 18. doi: 10.1038/nrendo.2014.205.

 
家族性高コレステロール血症はFH関連遺伝子 (LDL-RまたはPCSK9)の異常による高LDL-コレステロール(LDL-C)血症である。ホモFHは難治性であり、スタチンはほとんど効果がなく、LDL-アフェレーシスか、FDAで認可されたMTPの阻害剤やアポBアンチセンスなどが使われている。最近、FH治療に期待されていたPCSK9モノクローナル抗体の効果が、ヘテロおよびホモFH患者において二重盲検比較試験で検討した成績が発表された。2つの論文はともにRaal FJが筆頭著者であるが、南アのヨハネスブルグWitwatersrand大学の教授である。かって、筆者は、南アのSeftel HC教授がホモFHを多数例持っていたので、訪ねて行ったことを思い出す。
PCSK9モノクローナル抗体の作用機序については下に解説するが、ここでは単純にヘテロFHとホモFH例におけるエボロキマブ(AMG145)の効果について図1に示した。当然のことであるが、ヘテロFHに対してPCSK9阻害剤(モノクローナル抗体を含む)が著効を示すが、ホモFH症例では効果が鈍る。ホモFH例では対立遺伝子がともに変異があるため、残存レセプター機能がどの程度あるかにより、薬剤の刺激でどれほど賦活化されるかが決め手となる。今後、FHに対する効果を推定するためにもLDL-レセプター機能を検討することが必須となろう。
この論文がLancetでプリントされる前にオンラインで発表され、多大の反響を呼んでいるわけだが、そのことに関連してNature姉妹誌から原稿依頼があり、News and Viewsの欄を執筆した。Natureの姉妹雑誌は多いが、Nature Reviews Endocrinology (NRE)のインパクトファクターは12.956である。

PCSK9モノクローナル抗体の作用機序については下に解説するが、ここでは単純にヘテロFHとホモFH例におけるエボロキマブ(AMG145)の効果について図1に示した。当然のことであるが、ヘテロFHに対してPCSK9阻害剤(モノクローナル抗体を含む)が著効を示すが、ホモFH症例では効果が鈍る。ホモFH例では対立遺伝子がともに変異があるため、残存レセプター機能がどの程度あるかにより、薬剤の刺激でどれほど賦活化されるかが決め手となる。今後、FHに対する効果を推定するためにもLDL-レセプター機能を検討することが必須となろう。
この論文がLancetでプリントされる前にオンラインで発表され、多大の反響を呼んでいるわけだが、そのことに関連してNature姉妹誌から原稿依頼があり、News and Viewsの欄を執筆した。Natureの姉妹雑誌は多いが、Nature Reviews Endocrinology (NRE)のインパクトファクターは12.956である。
Nature Reviewsの依頼内容は
Dear Professor Mabuchi,
As a recognized leader and author in your field, I believe that you would be a key contributor to the quality of Nature Reviews Endocrinology, and so I would like to invite you to write a News & Views FV article on the following 2 original research articles
Raal et al, 上記
Raal et al, 上記
News & Views will provide a forum in which clinical advances can be communicated and set into context. The articles also aim to discuss the impact new results might have on practical patient care. News & Views are around 1,000 words plus 10 references maximum.
Nature Reviews Endocrinology's current Impact Factor is 12.958 (2013 ISI Journal Citation Reports) and to-date over 58,000 people have registered to receive our electronic Table of Contents every month.
If you accept our invitation, we would hope to receive the first draft of your
article by 17 October 2014, after which it will be edited to reinforce the high quality of the journal. I appreciate that this is a short deadline, but we try to keep our articles as timely as possible to provide the most benefit for our readers, and
given the shortness of the article, we do not anticipate it taking a long time to write. (以下省略)
年内は論文も書かなくてもよかろうと考えていた矢先、短い論文とはいえ10日以内の投稿が義務づけられ、パニックに近い状況になった。何とか設定日時をクリアして、online publicationの発表でき、LancetのRaalらの本論文発行前に出版することができた。論文は丁度2ページとなり、1行の無駄もなく印刷され、きれいな論文となった。
 
Raalらの論文内容から作図するとヘテロ接合体性FHではLDL-Cは65%減少し、ホモ接合体性FHでは30%しか減少しなかった(図1)。この効果の差は当然と理解できる。われわれがViewsで述べたようにヘテロFHでは対立遺伝子の一方が変異した遺伝子であるが、他方は正常遺伝子であるため、PCSK9がモノクローナル抗体でブロックされれば正常に発現したLDL-レセプター(LDL-R)が増えることになり、LDL-Cの低下効果は大きい(図2)。ホモFHでは両方とも変異遺伝子であり、PCSK9でLDL-R増加しても機能が回復しないことが予想される。FHに対するPCSK9の効果を検討するために、FH遺伝子の解析、LDL-R機能の判定が重要になると思われる。



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