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Ezetimibeに追い風の2研究

1) The Myocardial Infarction Genetics Consortium Investigators. Inactivating mutations in NPC1L1 and protection from coronary heart disease. N Engl J Med. Published online on Nov. 12, 2014.
2) Cannon CP. IMPROVE IT Trial: A comparison of ezetimibe/simvastatin versus simvastatin monotherapy on cardio vascular outcomes after acute coronary syndromes. American Heart Association 2014 Scientific Sessions; November 17, 2014; Chicago IL USA
 
 Ezetimibe(ゼチーア) は小腸のNieman-Pick C1-like 1 (NPC1L1)を抑制し、血清LDL-Cを低下するコレステロール低下剤である。薬物が開発されてから、後に作用機序が解明された薬物である。Ezetimibe投与によりLDL-Cはさらに15-20%低下するが、その結果として動脈硬化性心血管疾患が減少することが未だ実証されておらず、ガイドラインではスタチンだけがエビデンスが得られた薬物と認定されている。最近、NPC1L1機能低下症の異常遺伝子変異と心血管系イベントの発症を検討した論文の発表と、シカゴで開催されたAHA-2014で、Ezetimibeによる大規模臨床試験 IMPROVE-IT (IMProved Reduction of Outcomes: Vytorin Efficacy International Trial)が発表されたので紹介する。
 Ezetimibeは腸管上皮のコレステロール低下の作用機序が解明される以前にコレステロール低下剤として市販され、心血管イベント抑制のエビデンスがない頃から臨床応用が先行していた。米国のACC/AHAの新しいガイドラインでもスタチンだけがエビデンスが得られた薬剤として紹介され、Ezetimibeはどうであろうかと疑問視され、IMROVEITの結果待ちの状態であった。今回の1論文がNPC1L1の機能喪失型の変異では心血管系イベントが低下するとの発表があった。NPC1L1の機能がなくなるような変異は15見つかった。このような変異はすべてヘテロ接合体であり、ホモ接合体は1例もなかった。この変異が冠動脈疾患を有する29,954例とコントロール83,140例で検討した。このような変異は冠動脈疾患例では29,954例中11例(0.04%)見出され、コントロール群では83,140例中71例(0.09%)見出された(Table 2)。変異の有無によりLDL-Cは12mg/dlとわずかな差しかなかったが、生涯リスクは有意差を示した。Ezetimibeによるイベントの発症率の差は小さくても、観察期間が10年程度と短いので、遺伝疾患のように、生涯リスクで差があれば、有意とすべきであろう。
 このデータをみて、想起される研究はCohen JCらのPCSK9のloss-of-function mutationであろう。PCSK9活性が生下時より低ければ、28%低LDL-C血症となり、冠動脈疾患イベントは生涯頻度では88%心血管リスクが低下するという。NPC1L1の機能低下が生下時よりあれば、心血管系リスクが低下する。エゼチミブなどのNPC1L1阻害剤を長期間投与すれば心血管イベントが適することが期待できる。
3) Cohen JC1, et al. Sequence variations in PCSK9, low LDL, and protection against coronary heart disease. N Engl J Med. 2006 Mar 23;354(12):1264-72.
 AHA 2014でCannonらが発表したIMPROVE ITはSimvastatin単剤とSimvastatinとEzetimibeの合剤で心血管イベント発症頻度に差があるか否かを検討した臨床試験である。Simvastatin単独投与に比較して7年間で心血管系イベントはSimvastatin単独では34.7%に対してSimvastatin + Ezetimibe群では32.7%と2%減少した。この臨床試験では、試験開始時の両群のLDL-Cは95mg/dlと低値であったが、Simvastatin 40mg投与では69.9mg/dlへと低下し、Simvastatin + Ezetimibeでは53.2mg/dlへと低下し、7年間これらの値を維持した。この成績から心血管イベント、は18000例を7年間経過をみた成績であり、わずかな差であったがLDL-Cは”lower-is-better”からさらに低くすることにより”Even lower was even better”といえるとCannonは言っている。
上記2研究発表はEzetimibeの有用性について追い風になると予想される。
 

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